FOOD&WINE

Quesadilla
QUESADILLA QUESADILLA!!

リッツカールトンカパルアのケサディーラ
2013 . 10 . 1

Quesadilla
東と西のケサディーラ

私のマウイでのビーチライフは日がな一日プールサイドや椰子の木陰で本を読み波と戯れることです。15年前にはここにカバルアベイホテルがありました。大きく窓が開け放たれたロビーにはペギーホッパーの絵が飾られていました。ハワイアンの女性が猫を愛でながら優しいまなざしでこちらを見つめている絵でした。
数年前そのホテルも取り壊されました。それからはその場所に出来るだけ近い場所に立つホテルに泊るようになりました。ホテルの調度類はいささか欧米の貴族趣味で私の好みではありませんが、とにかく立地が素晴らしい。プールは階段式になっていて、いつも空いています。プールから続く芝生は広大でなだらかな弧を描きながらフレミングビーチまで続いています。芝生の向こうには古代の墓地がこんもりとした緑の結界で守られています。プールとビーチをカートに乗って行ったり来たりしながら持ってきた本を読む。ときおりハンモックに寝転びながら。
それでもお腹は空きます。マウイでは軽いビールと決めています。水のように飲むには軽いビールが一番ですから。そして私は必ずここで主題のケサディーラを頼むのです。
そもそも、メキシコのタコスとブリトーとは何が違うのでしょう。作り方も色々あって陽気なお国柄ゆえ煩いことは言わないと思いますか、前者は調理したものを入れてトルティーヤにそのままラップして食すのに対して、ケサディーラは包んでから再度トルティーヤを調理すると勝手に解釈しています。
最初ここで食べたケサディーラはIndian Quesadillaとメニューに書かれていました。中には入っているものは、タンドリーでこんがり焼かれたターキーでした。ターキーはクミン、ターメリック、アジョワンシードなどの香辛料と細かく切られた玉ねぎ、トマト、それに生のコリアンダーの葉とチーズで味付けされたパンチの効いたものでした。これにワカモーレといわれるアヴォガドのディプと少し辛いフレッシュなチリが添えられていました。昨年食べたそれはもはやインド風ではなく、ターキーからチキンに変更されていましたが相変わらずの美味しでした。
マウイ島に限らずオアフ島でも、もちろん本場メキシコに近い西海岸でも多くのケサディーラがファストフードとして供されていますが、ここのケサディーラを是非一度食べてみてほしいと思います。今まで食べたケサディーラの概念が変わること請け合いです。
東の横綱を挙げたのに西が不在では宜しくないので、あえて西の筆頭として挙げるとするならばラナイ島のフォーシーズンズ・マネレ・ベイで食したベジタブル・ケサデーラです。色とりどりの野菜が詰め込まれ、皮には芸術的な焼き色が付けてあります。メキシコ料理はファストで豪快だと決めつけていれば、ここはそれに反して上品この上ありません。いくらでも食べられそうな軽やかさが特徴です。何故西にしたかと言えば、それはすぐ近くの目と鼻の先の島であってもマウイ島とは風が違うからです。ここはマウイより幾分乾いています。逆にモロカイ島はずっと重くなります。そう風もメニューの一部なのです。
私にとってカパルアでのビーチライフにはビールとこのケサディーラは欠かせないものなのです。


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