BEACH

BEACH LIFE IN CALIFORNIA#1
カリフォルニア ビーチライフ

2013 . 10 . 10

カリフォルニアに限ったことではないですが、日本では海に面してビーチハウスが建てられません。公有水面という難しい法律上の解釈があり、一部の漁業従事者の蜑戸のそれを除き建築することが不可能なようです。もっとも夏場の海の家は例外で漁協と共同して運営しているようですが一時的なものです。海の近くに家を持っていてもあくまで個人が楽しむためのもので多くの人に開放しているわけではありません。
そこへいくとアメリカでは常設の海の家があります。まさにオンザビーチのロケーションです。今年の春にマリブに行ったとき、ペッパーダイン大学を過ぎて左に坂を下った所のパラダイスコーブという場所に立ち寄りました。小さなピアがあってこじんまりした砂浜ですが、駐車場の隣には1年中ビーチサンダルで気軽に入れるレストランがあるのです。建物は豪華ではありませんがそれなりに風情があり、室内には一昔前のこのビーチの写真が展示されていました。私たちはストーブの配された外に席を取り、カリフォルニアの春の陽光を浴びながら食事をしました。
周りを見渡すと家族連れがほとんどです。小さな子供を連れた若夫婦。白髪に杖をついて坂の上から歩いてやって来た老夫婦など年齢はバラバラです。しかし、どの人もゆっくりと楽しそうに時間を過ごしているのでした。
ある親子は桟橋で一休みしているブラウンペリカンを指差しながら、父親がペリカンについて男の子に何やら教えていました。また、ある母親は砂浜の花を取ろうとする娘に、花をとってはいけない理由をその花の近くで説明していました。
日本でビーチライフが根ざさない理由はどうやらこの辺りにあるのではないかと思うのです。親が子供に海のすばらしさを教えることは難しいことではありません。ほんの少しの時間でもあれば良いのです。しかし残念ながら日本の施設は時間を気にしなければいられないレストランやゆっくりと食事の出来ない無機質な公共施設のどちらかです。
パラダイスコーブのそれは祖父から子供にそして子供から孫にビーチライフの素晴らしさを伝えるために自分の土地を解放して続けているようです。私にそんな土地があったら間違いなく日本のパラダイスコーブを作るのですが・・・


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